2011年1月19日水曜日

冬の生活 1

 年末年始にかけてこれでもかというぐらいに無慈悲に雪が降り続いた。平屋建ての農園の住宅は積雪に備えて基礎部分を2メートルほどかさ上げをしてあったが、その程度の対策では降り積もる雪の多さには到底対処できないものであった。屋根から下1メートルあまりを残してすっかり雪の下に埋もれてしまっているのです。このままでいけば外から見たのではそこに住宅が存在しているのかさえわからないような状態であります。

 すでに玄関からの出入りは雪のために困難になっていたので、居間の窓からの出入り口を確保しておいた。すっぽりと雪のなかに蔽われることは別にかまわない。かえって蔽われた雪が外界の寒さを防ぐような格好になって都合がいいのだが、万が一のために最低の出入り口は確保しておかなければならない。

 吹雪が続いている時には、いつ昼がきていつ夜がきたのかさえわからない。こんなときに町にでようなどと思いついたとしたら、必ず遭難騒ぎを引き起こすだろうと思われるので、吹雪の収まるまで何日でもじっと家に閉じこもって生活することになる。

 家の中心になる居間にはいつでも大型の薪ストーブに火が入っている状態になっている。夏の間に約半年分の薪を集めて隣接する倉庫に蓄積しておいたのだ。また、家の構造は木造ではあるが、外断熱を施してあるし、サッシはすべてペアガラスの上に2重窓になっているので部屋の熱をほとんど逃がさないようになっている。この地方のいやらさしは、冬はダントツに寒いが、夏はどうにもならないぐらいに湿気と温度が上昇して暑くなることである。だから相矛盾する条件をクリアするには相当の資金が必要だということであります。

 電線と光ファイバーは冬の雪を考慮して、2kmほどの距離を地下ケーブルで通した。ただその先が断線してしまったらしょうがないのだが、その時は集落の他の家でも停電が生じているのだから、すぐさまに電力会社が出動するだろうと思われる。バックアップ電源として強力な発電機を用意してあるが、テスト運転以外でこの3年間でいちども使用したことがない。最近の電力会社の保守メンテナンスはたいしたものである。通信のバックアップはさすがにこのド田舎では公衆Wi-Fiというわけにはいかず、DoCoMoの3G回線を利用している。これもほとんど使ったことはないが、万一のために備えているのです。

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